バナナと仏壇 [食べ物・料理]
子供の頃、仏壇は宝箱のようだった。
重ね型仏壇で、引き出しや観音開きの扉が仏壇の下に付いていた。
引き出しの中には、貝殻に入った黒い軟膏が入ってたり
私を喜ばせるため、お菓子や祖母が数珠玉で作ったお手玉を
こっそり入れてくれていた。
その日も、祖母が何か宝物を隠してくれてるか
ワクワクしながら引出しをあけると
どう考えても食べ物ではなく、○んこにしか見えない物が
一本入っていた!
おばあちゃんが、こんな所に!と衝撃を受けた。
日頃、悪いことすると罰が当たるとか言ってたおばあちゃんが!
お行儀よくしなさいって言ってたおばぁちゃんが
大好きなおばあちゃんが・・・
家に帰ってきた祖母は、引き出しをあけ
「あれ?食べなかったの」と言うので
衝撃はとてつもなく広がり
誰にも内緒にしておこうと、幼い心に誓った。
「本当に食べなくていいの」という祖母の声も遠くに聞こえ
祖父と祖母は、私の具合が悪いのかと心配してくれてたが
泣きたい気持ちを堪えるのが精いっぱいだった。
顔をあげると、その物体を今まさに口に入れてる祖父が見え
私はとうとう泣き出した。
それが干しバナナだと知ったのは、泣きやんでからで
「食べてみるかい」の言葉に、首が捥げるほど横に振った。
知ってるバナナとはかけ離れてるし
衝撃はそう退いてくれなかった。
あれがバナナだなんて信じないだろうから
姉にも黙っていようと思った。
干しバナナが売っていた。一つ一つセロハンに包まれて。
記憶してた物より、ジャーキーやカリン糖みたいだったし、甘い匂いがした。
ちょっぴり泣きたくなるような
大笑いしたくなるような変な気持になった。
可愛い、あぁさんが、そこに居るのですね。
おじいちゃんも、おばあちゃんも、とても優しい方だったのが
伺えます。幸せな、幼児期を過ごされたのですね~(*^_^*)
by (2007-05-30 07:38)
いいですねー、私あんまり親戚付き合いなかったから、
うらやましいですー。
にしても、なんか想像しちゃうとおじいちゃんが
食べよとしていた瞬間の表情とか、
首振ってるとことか
めっちゃ笑えますねー★
子供心、ブラボーです。
by (2007-05-30 13:42)
犀川さん
売ってた干しバナナを見て、記憶の扉が開きました。
いまだに食べられませんが。
ゆえさん
祖父母が大好きでした。
厳しくて優しくて、説教めいたこと言うところも含め。
写真を見ると、敬老会にも私参加してたようです。
by あぁ (2007-05-30 14:11)
子供心にかなり衝撃的な出来事だったんですね(*^_^*)
似たような経験がありますが、ワタシの場合は「ナマコ」でした。
祖父が柔らかく煮たナマコが恐くて食べれず(やはりウ○コのようでw)
珍味で美味いと聞かされても、ダメでした。
あぁさんの書く言葉1つ1つから
お祖父さんお祖母さんへの愛情や、子供時代の自分へのいとおしさなどが
きらきらとこぼれてくるような気がします♪
なんて、ナマイキなこと書いてごめんなさいね(;´∀`)
by じあむ (2007-05-30 16:47)
ブログ初めて覗きました。
かわいいお話ですね(^o^)/
by 理恵 (2007-05-30 21:14)
昔の人は短命だから、わたしは祖父母を知りません。
思い出に残るのは、さぞかしおばあちゃんが好きだったのでしょうね。
by (2007-05-30 21:36)
じあむさん
ナマコは、夏の遊び道具だったの^^;
海に遊びに行くと、ナマコをアメフラシと呼んで遊んでました。
今考えると、どうよ?ですが。
理恵さん
コメントありがとうございます。
とわさん
祖父母がいるのが当たり前の生活でした。
両親より近い関係だったかもしれません。
by あぁ (2007-05-30 23:10)